不安を解消するために「成年後見制度」があります。
老後に向けて頑張って貯金をしている方は多いと思いますが、その財産管理については考えていますか?
相談に訪れる方のお話を聞くと、お金を貯めることに一生懸命でも、その先の管理については考えていないという方が多いように感じます。
もし、認知症などにより判断能力が衰えてしまったら、あなたの生活や財産はどうなるでしょうか。
そんな不安を解消するために「成年後見制度」があります。
成年後見制度は、家庭裁判所から選任された成年後見人が家裁の監督の下、高齢者などの判断能力の衰えた方の意思を尊重し、その権利を守るための制度です。
成年後見制度の背景
この制度が必要とされる背景には、日本の高齢化があります。
近い将来、日本の人口の4分の1が65歳以上の“高齢者”になると言われています。また、75歳以上の後期高齢者も、平成18年の統計で人口の1割を占めています。
子育てを終え、リタイアしてからの人生が数十年続くことを思えば、単純に「余生」とは言えず、この「第2の人生」を自分らしく豊かに生きたいと願う人を応援する仕組みの一つに「成年後見制度」があるのです。
成年後見制度の利用例
- 現在の判断能力に問題はないが、将来、認知症になったら、所有しているマンションの管理を任せたい。
- 障害を持つ子どもがいる。私に何かあったときのために後見人を決めたい。
- 同居している寝たきりの父の面倒をみてきたが、父の財産管理に対して、兄弟が疑いの目を持っている。
- 老人ホームにいる母の財産を、兄が勝手に持ち出して困っている。
弁護士が出来ること
成年後見制度の申立代理
家庭裁判所に対して、成年後見等の審判を申立てる手続について援助をします。
成年後見人等としての活動
家庭裁判所の選任する成年後見人・保佐人・補助人となって、判断能力が十分でない方の財産管理や身上監護を行います。
財産管理契約による援助
財産や身の回りの事務を任せることを内容とする委任契約を結び、弁護士が契約内容に従った管理を行います。